体験豊富なオジンの隣人・多田の思い掛けない感

「新聞紙オーダーをしていたなら、新聞紙コラムニストなんて良さそうですけどね。未だにお初々しいんですし」
多田の口から意表を突いた様な大胆な見解が吐き出された途端、自分は急に眼前が明るくなったような気がした。
新聞紙コラムニスト——。
そうでなくとも、大手新聞紙事務所に勤めるサラリーマンという身体を取り繕うだけでも世間の探る目線は、実社会は変節して来るかもしれない。
自分と当人ともども、いったいどうして今の今までそれを思い付かなかったのだろう。
その空想そのもの、彼女人も思い浮かばなかったのか、あるいは完全に幅から除外して「自分にとれることは何も無い」とはなから決め込み悩んで、病んで、徐々に塞ぎ込んでいうのかはわからない。
彼女はティーンエイジャーで男性を亡くした時点で念願を持つことを止めてしまった。最近では同級生から「キャリアにエライ」などという自負メッセージを耳にしていたようだが、自分にはほど遠いメッセージだと思い込んで、未だに可能性として残されていた幅を自ら打ち捨ててしまっていたのだ。キャッシング 金利